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HSPが生きづらい理由を学術的観点と当事者目線で解説|解釈と環境次第

HSPが生きづらい理由を学術的観点と当事者目線で解説|解釈と環境次第
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悩む人

HSPって生きづらい…。最近は「学術研究」の観点から様々な議論があるようだけど、実体験と合わせてどう解釈すれば良いのか分からない…。

こんなお悩みを、HSP気質で生きづらさを抱えながらも、現在は快適に暮らす私が解決します。

かつて大学院に通い研究活動に励んでいた経験もあり、学術的な観点の有用性と限界を体感しています。

この記事を読むと分かること
  • HSPと生きづらさの関係性
  • HSPと生きづらさにまつわる疑問アレコレ
  • HSPが生きづらさと向き合う本質的な方法
  • 生きづらさを感じ苦しみ続けた過去
    ※20数年間、HSPに全く気づかず…
  • HSPと上手に付き合う充実した日々
    ※HSPな奥さんとの生活が幸せ!

テレビ等で取り上げられる機会が増えるにつれ、「HSP」という概念が広範に知れ渡ってきましたね。

そんな中、SNSや書籍をはじめとする各種メディアで特に目にするのが、

HSPで生きづらい

という意見。

私もヒシヒシと感じてきており、それに対する対処法等もお伝えしてきました。

ただ、この「HSPで生きづらい」に対する意見は様々で…

  • いや、関係ないよ。
  • 環境が悪いんだよ。
  • 他の病気だからだよ。

…少し、気になります。

HSPな人たちが言いたいのは「そういうことではない」のだと私は感じていて。

HSPという概念が「生きづらさ」とイコールでないことは当然として、

生きづらさの遠因であると感じる人が多数存在するのは間違いありません。

学術的なエビデンスも個人の感覚も、同じだけ大事。

詐欺まがいのやり方で「生きづらさ」につけ込むのは当然NG。

こうした大前提に基づきながら、「HSPと生きづらさ」の関係について考えていきましょう。

科学的な専門用語である「感覚処理感受性」にも少し触れながら。

可能な限り平易にお伝えしていくつもりですが、分かりづらい箇所があれば、ぜひ教えてくださいね。

タップできる目次

「HSPで生きづらい」の2つの意味|学術的観点と当事者の視点

「HSPで生きづらい」の2つの意味|学術的観点と当事者の視点

最初に、「HSPで生きづらい」の持つ意味の振れ幅や「感覚処理感受性」の意味をザックリおさえておきましょう。

その上で、HSPな人が用いる「生きづらさ」のニュアンスについてみていきます。

学術研究における「感覚処理感受性」の意味

感覚処理感受性は、HSPの第一人者とも言われるエレイン・アーロン博士が下記のように述べています(要点)。

HSPの定義とされる「DOES」の話ですね。

  • HSPの高い敏感性の背景には感覚処理感受性がある。
  • 刺激感受性の高さや感情反応性の強さ、情報処理の深さなどが特徴。

参考|Aron, E. N., & Aron, A. (1997). Sensory-processing sensitivity and its relation to introversion and emotionality. Journal of Personality and Social Psychology, 73, 345-368.

そして、この感覚処理感受性は自閉スペクトラム症等の精神疾患と部分的に共通点がある一方、区分については研究者の間でも議論があります。

HSPはあくまでも気質であり病気ではありませんが、学術的観点からすれば共通点があることはあるんですね。

  • 高い感覚処理感受性はニュートラルな特性であり精神疾患の症状ではない。
  • ただし、それらに通じる橋渡し要因として検討する価値が大きい。

参考|Greven, C. U., Lionetti, F., Booth, C., Aron, E., Fox, E., Schendan, H. E., ... & Homberg, J. (2019). Sensory Processing Sensitivity in the context of Environmental Sensitivity: A critical review and development of research agenda. Neuroscience & Biobehavioral Reviews. 98, 287-305.

こうした特徴をもつ感覚処理感受性は、決してネガティブなだけではありません。

ポジティブな面も同様に持ち合わせている、実にフラットな概念なんです。

  • 感受性の高さは環境との相互作用次第で「良くも悪くも」作用する。
  • 感受性の高い人は、ネガティブな環境要因からもポジティブな環境要因からも大きく影響を受ける。

参考|Belsky, J., Bakermans-Kranenburg, M. J., & Van IJzendoorn, M. H. (2007). For Better and For Worse: Differential Susceptibility to Environmental Influences. Current Directions in Psychological Science, 16, 300-304.

HSPな人は、良くも悪くも、環境から影響を受けやすいんですね。

「HSPであるならば必ず生きづらい」と言えないのは、環境に恵まれていて生きづらさを抱えていない人もいるからなんです。

「HSP」はネガティブさの代名詞として用いられるべきものではなく、あくまでもフラットなもの。

知見が蓄えられている最中なんですね。

学術的に言及されている「事実」同士を結び付け、思い込みにより解釈を捻じ曲げてしまわないようにだけ、注意しましょう。主張の強い人ほどやりがち。

HSPな人が用いる「生きづらさ」のニュアンス

先ほど、

「HSPであるならば必ず生きづらい」とは言えません。

と述べました。でも、

「HSPな人は、生きづらさを抱えやすい」

は、言えるんです。

なぜなら、仕事や家庭、学校において「質の良い環境」「自分に合う環境」を手に入れるのが難しい場合が多々あるから。

HSPな人は社会全体からすれば少数派ですし、様々な部分でストレスを溜めやすいのは事実。

  • 生まれながらにして家庭環境に恵まれない人もいます。
  • 学校で友達や教師とソリの合わない人もいます。
  • 仕事がキツくてもそう簡単に転職できない人もいます。

HSPな人で、現時点での生活に「苦しさ」を感じている人からすれば…

「HSP」の言葉の厳密な意味なんてどうでも良いとすら思えることがあって。

環境を整えればネガティブな側面が解決できるのは分かってる。

問題は、その先。

具体的にどうにも動き出せないから、動き出しても「合う環境」に出会えないから、困っているんです。

ここが見落とされると、つらいね…。

なお、うつ病や発達障害といった疾患と並べて言及されがちですが、比較にはあまり意味がありません。

HSPが先か、疾患が先か、どちらも抱えている人がどれほどいるのか、区別がつかないからです。

そして、大事なこと。

現状がつらい人は、厳しすぎる主張を掲げる人よりも、「生きづらさに寄り添える」人の意見に耳を傾けましょう。

「HSPを理由にするのは良くないのかな…」

「甘えてるだけなのかな…」

なんて、微塵も思う必要はありません。

厳密なお話については、元気になった時に学び考えれば良いんです。

ここまで、長くなったのでまとめておきます。

  • HSPは環境に左右されやすく、
  • 個々人に合う「良質な環境」を手に入れるのは容易ではない。

だから、HSPな人は生きづらさを感じやすいんですね。

続いて、HSPを取り巻く疑問点についてみていきます。

HSPと「生きづらさ」にまつわる様々な疑問

HSPと「生きづらさ」にまつわる様々な疑問

当人がHSPである・HSPでないに関わらず、厳しい主張を繰り広げる人は一定数いるもの。

ただ、「HSPのことを想って」の意見があるのも事実。

良いと感じる部分を取り入れていきましょう。

「HSPだから生きづらい」は甘え?

甘えではありません。

…というか、甘えでもなんでも良いです。

辛い時は遠慮なく自分以外の何かのせいにしちゃいましょう。

「自責」の考えは大事ですが、しんどい時くらい自分の感覚を最優先に、ワガママにいきましょう。

ただ、HSPをわかってほしいと願うあなたへ。理解してもらえないのは当然です。で触れているように、HSPの概念や感覚が理解できない人がいるのも当然のこと。

「甘えだろう」と言われるのはとても切ないですが…。

お互いの考え方を理解しようとする姿勢が、大事ですね。

HSPな人は精神疾患を抱えているから生きづらい?

HSPな人が精神疾患を抱えているとは限りませんし、完全に人によります。

先ほど学術研究の項目でみたように、HSPの人がもつ感覚処理感受性の高さと各種精神疾患との間には共通点こそみられるものの、同じではありませんでしたね。

生きづらさの原因は様々にありますし、精神疾患をはじめとする「病気」は白黒はっきりつけられるものではありません。

そもそも、大多数と異なる特徴があって、それにより生活に困難が生じていれば、病気と呼ばれるんです。

HSPな人の抱える生きづらさの原因が、下記のような発達障害やうつ病といった精神疾患に由来するとも限りません。

  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • ADHD etc...

「アダルトチルドレン」なんかもよく言われるけど…。どこまで関係があるかは、あくまでも分からないのね。

もちろん、

  • HSP気質に合わない厳しい仕事環境で頑張り過ぎた結果、うつ病になった
  • アスペルガー症候群の人が、後からHSPのことを知って当てはまると感じた

なんて場合もあるでしょう。

ですが、基本的にはHSPと精神疾患は別物。

現時点ではフラットな視点で捉えるのが良いでしょう。

生きづらさ解消に向けたネット上のHSP情報はデマだらけ?

デマだらけと言えばそうですが、意外とそうでもないと思っています。

例えば、以下のような情報。

  • HSS型HSP、内向型HSP、外向型HSPといった区分
  • 「HSPうつ」の磁気刺激療法での治療
  • 各種HSPあるある

これら全て、デマでしょうか?
怪しいものも、ありますが…。

とある医師や研究者は「HSS型」等の区分を書籍や論文で言及し。

とある「HSPあるある」はエレイン・アーロン博士のHSPチェックテストでも言及があり。

医師の間でもHSPの概念に対する意見が真っ二つに割れており。

基準など、あってないようなものです。

そんなに意見が割れてるんだね…。

勘違いしている人が散見されますが、「学術的なエビデンスがない」ことは、デマであることの証明にはなりません。

「学術研究」も、一定の条件下に絞って実験や考察を行っているにすぎず、必ず限界があるからです。

私は信じていませんが、スピリチュアルな話でも、信じて気がラクになり救われる人がいるから廃れていないわけで。

最後に信じるか信じないかは、全てあなた次第なんです。もちろん、ここでは私なりにふるいにかけて「役立つ」情報を載せているつもりです…!

生きづらさを抱えるHSPな人は環境次第で生きやすくなる!

生きづらさを抱えるHSPな人は環境次第で生きやすくなる!

最後に改めて、HSPな人が生きづらい理由をおさらいしておきましょう。

HSPな人が生きづらい理由
  • HSPは学術的観点からしても環境に左右されやすい一方で、
  • 個々人に合う「良質な環境」を手に入れるのは容易ではない。

一言で言うと…

簡単に環境が整えられるなら誰も苦労しない

ということ。刺激を受け疲れやすく、合わない環境を簡単に変えられないから、生きづらさを感じるんです。

そして、こういった生きづらさを解消するには、簡単ではなくても環境を整えていくしかありません。

  • 合わない人とは距離を置く
  • 自分の「好き」を最優先にする
  • 働き方を全面的に見直す…。

様々なやり方があります。

「科学」「学術研究」「有名人」「主張の強い人」等の意見を鵜呑みにすることなく、あなた自身の頭と感性で吟味を。

様々な観点から冷静に、「HSPに由来する生きづらさ」と向き合っていきましょう。

当サイトでは、様々な観点から生きる環境を整える方法を提案しています。私は生活スタイルと働き方を大幅に見直して、人生が変わりました。良かったら参考にしてみてくださいね。

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コメント一覧 (2件)

  • ななころです。
    しょーきちさんのブログには初めてのコメントですね。

    本記事、とても興味深く読ませて頂きました。
    私のブログでも少しだけHSPに触れているものがあり、書籍の情報を中心に、ネットも調べましたが、情報が錯綜というか氾濫というか、とても一括りに説明できないですね。

    とても勉強になりました。
    貴重な記事をありがとうございます。

    • ななころさん、
      ご覧いただきありがとうございます!

      そして…
      嬉しいお言葉、ありがとうございます。
      お役に立ててうれしい限りです。

      ほんと、仰るとおりで…!
      情報が増えたのは良いことでもありますが、
      同時に混乱したり傷ついたりする人が増える原因となっているのも事実で。

      私の発信する情報も含めて、
      決して鵜呑みにせず、自身の頭と感性で吟味する姿勢が
      大事なのだと考えています。

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